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2019年10月3日から4日の競輪情報システム障害について(中間報告)

2019年11月8日

公益財団法人JKA

 2019年10月3日(木)から4日(金)にかけて発生しましたシステム障害による競輪開催の中止等により、お客様並びに関係者の皆様に対しまして多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
 今後は、このようなことが二度と生じることがないよう、原因の究明と再発防止策を下記のとおり取りまとめましたので、ご報告(中間報告)申し上げます。
 なお、今回の事象は外部からの不正アクセスやサイバー攻撃といった事案によるものではなく、情報流出も生じておりません。


【公益財団法人JKA会長のコメント】

 今般、障害を起こした「車両情報システム」は、競輪の中枢システムであり、弊財団が本システムの安全管理運用業務を任されております。
 弊財団といたしましては、この度の2日間にわたって競輪の開催ができなかったという重大な事案につきまして、お客様をはじめ関係各位に対しまして責任を痛感しております。
 今後、このような事態が発生することのないよう、業界をあげて再発防止と信頼回復に努める所存でございます。
 お客様並びに関係者の皆様に対しまして多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。

公益財団法人JKA
会長   笹部 俊雄




 今回のシステム障害の直接の原因は、特別昇班に伴う取消追加処理を実施する際、通常の取消追加に比べてシステム上では一日早い入力処理が必要な仕様になっていましたが、その旨が開発ベンダー作成の業務処理マニュアルに記載がなかったため、通常通りに予定していた処理日の前日にデータ処理締切日が到来し、その日の夜間定例処理においてデータ不整合となったことが原因でした。
 当日の原因の究明とそれに伴う復旧作業に時間を要したため、翌4日の開催中止・順延・打切りといった一連の事象にも影響を与えました。
 この度、当該障害の内容と対応状況及び今後の対応策について以下のとおりご報告申し上げます。

1.障害発生日時

 ・2019年10月3日(木) 午前1時27分の夜間定例処理異常終了を起因とした障害です。

2.障害の原因

 今回の障害の原因は、現時点では以下に記載の内容による可能性が高い状況です。
 引き続き、開発ベンダーと原因の究明をしてまいります。

 (1)直接の原因

 10月5日初日開催のA級3班戦にあっせんされていたA選手が、9月23日にA級3班からA級2班へ特別昇班したため、JKAは9月24日に当該開催のA級3班戦へのあっせんを取り消しました。
その後、同開催のA級1・2班戦に欠場者が出たため、A選手を欠場者の代わりに9月30日に追加あっせんしました。

 A選手を取り消したA級3班戦への追加選手の処理は、開発ベンダー作成の業務マニュアルに沿って、処理の締切日である前検日前日(10月3日)に実施する予定でしたが、前検日前々日(10月2日)の夜間定例処理で異常が発生しシステムが停止(3日1時27分)してしまいました。

 この原因について開発ベンダーより以下の報告がありました。

① 業務マニュアルでは取消追加入力における入力期限が前検日前日までとなっているが、実際のシステムの仕様では前検日前々日(10月2日)までとなっていたこと。
② 選手の特別昇班に伴う同一開催の概定間で取消追加処理を実施する場合には、前検日前々日(10月2日)までにA選手の代わりを追加処理しないと、取り消し処理したA選手のあっせんレコードが残存してしまう仕様となっており、あっせんレコードの重複により処理が異常終了した。

 (2)3日及び4日の開催中止の原因

 異常発生を受けて、3日11時00分に競輪関係団体で構成する「緊急対策本部」を立ち上げ、善後策を協議いたしました。
 開発ベンダーにより障害発生の要因と考えられる直接の原因を抽出できたのが3日16時15分であり、その後復旧に時間を要し、翌4日の開催準備に関しても、支障のない時間内にシステムを復旧することができませんでした。

3.開催への影響

(1)10月3日開催予定であった6競輪のうち1競輪は順延となり、5競輪は打切となりました。
また、10月3日は、10月4日開催予定の競輪の前検日に該当し、4競輪が3日中に前日検査を行わなければならなかったものの、システム障害のため前日検査を3日から4日に順延し、当該開催の初日4日を5日に順延しました。

【10月3日開催】

松戸競輪場 GⅢ
初 日→(順延)
西武園競輪場 FⅠ
最終日→(打切)
豊橋競輪場 FⅠ
最終日→(打切)
別府競輪場 FⅠ ナイター 最終日→(打切)
伊東競輪場 FⅡ ミッドナイト 第2日→(打切)
小倉競輪場 FⅡ ミッドナイト 最終日→(打切)

【10月3日前検日予定場】

函館競輪場 FⅠ ナイター 前検日→(順延)
武雄競輪場 FⅡ モーニング 前検日→(順延)
富山競輪場 FⅡ
前検日→(順延)
玉野競輪場 FⅡ ナイター 前検日→(順延)

(2)10月3日から4日に開催を順延した松戸競輪を再度5日に順延とし、3日から4日に前検日を順延した4競輪については、前検日を打ち切りとしました(5日の開催を打ち切りとしました)。
なお、10月4日11時50分にシステム障害の改善の見通しが立ったため、10月5日松戸競輪(初日)及び10月4日前検日の3競輪について予定通り5日に競輪が開催可能となりました。

【10月4日開催】

松戸競輪場 GⅢ
初 日→(順延)

【10月4日前検日予定場】

函館競輪場 FⅠ ナイター 前検日→(打切)
武雄競輪場 FⅡ モーニング 前検日→(打切)
富山競輪場 FⅡ
前検日→(打切)
玉野競輪場 FⅡ ナイター 前検日→(打切)

【10月5日開催予定の競輪】

宇都宮競輪場 FⅡ
前検日→(5日開催)
大宮競輪場 FⅡ
前検日→(5日開催)
青森競輪場 FⅡ ミッドナイト 前検日→(5日開催)

4.今後の対応策

  今回の重大障害の反省を踏まえ、以下の対策を講じます。

(1)チェック機能の追加について

 障害を引き起こした当該処理に関して万全を期すため、システムチェックの対応ができるまでの間、今回の障害の原因となった「特別昇級、特別昇班選手に係る取消追加入力処理」については、イレギュラーケースとし、開発ベンダーと連携・確認の下、現行のシステム機能に合わせた取扱いを徹底することといたしました。
 なお、当該箇所の業務マニュアルについては、既に正しい内容に書き換え、徹底しておりますが、システム運用者に対しても更なる周知徹底を行ってまいります。
 また、取消選手に対するシステムチェックをするツールの開発については、開発ベンダーにより講じてまいります。

(2)システムのマニュアル総点検の実施

 システムに関わる全ての運用マニュアルを2020年1月31日までに総点検を実施し、再発防止に万全を期してまいります。

(3)その他

 障害訓練の見直し、システム利用者への研修の実施、競輪関係団体で構成する緊急対策本部の機能強化とこれに伴う危機管理マニュアルの見直し、サイバーテロへの対策の再点検、次期システムの開発への対策等を講じてまいります。

以 上

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